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本コラムは警察庁「令和7年における警備業の概況」、
厚生労働省「令和7年賃金構造基本統計調査」、
職業情報提供サイト(job tag)の公表値を使用しています。
警察庁統計は原則として令和7年12月末現在、賃金・求人統計は各項目に記載した時点・分類によります。
全国警備員数
596,985人
令和7年12月末
前年比+9,137人(+1.5%)
警備業者数
10,949業者
令和7年12月末
前年比+138業者(+1.3%)
行政処分件数
129件
令和7年中
指示116・営業停止12・認定取消1
令和7年12月末の全国警備員数は596,985人で、
前年から9,137人(1.5%)増加しました。
警備業者数も10,949業者へ増えています。
人数自体は増加している一方、年齢構成を見ると高齢化が続いている点が重要です。
📌 「警備員数」と他統計の就業者数は同じ数字ではない
警察庁の596,985人は、警備業法上の警備業者に所属する警備員の集計です。
一方、国勢調査やjob tagの「就業者数」は職業分類に基づく別統計で、
集計対象・時点・定義が異なります。異なる統計の人数を直接比較しないよう注意が必要です。
出典:警察庁生活安全局生活安全企画課「令和7年における警備業の概況」
令和7年末では、60歳以上の警備員が282,509人・47.3%を占めています。
70歳以上だけで129,012人・21.6%となり、年齢区分では最大です。
一方、30歳未満は65,028人・10.9%です。
⚠ 高齢化を「将来の大量退職」とだけ見るのは単純化しすぎ
高齢層が多いことは、健康管理・配置・継続雇用・後継人材育成を考える必要性を示します。
ただし、「60代が10年後に一斉退職する」とは限りません。
警備業では70歳以上の就業者も多いため、若年採用と同時に、
高年齢者が安全に働き続けられる職務設計・健康確保も重要です。
出典:警察庁「令和7年における警備業の概況」
女性警備員比率
7.6%
45,304人。前年7.3%から上昇
警察庁統計上の臨時警備員比率
8.6%
常用545,879人/臨時51,106人
女性警備員は45,304人で、全警備員の7.6%です。
年齢別にみると、30歳未満の警備員65,028人のうち女性は12,321人で、
当該年齢層に占める女性割合は18.9%です。
年齢が上がるにつれて女性割合は低下し、70歳以上では2.6%となっています。
📌 「常用91.4%=正社員91.4%」ではありません
警察庁統計の「常用」は、
雇用期間の定めがない、または4か月以上の雇用期間が定められている者です。
正社員だけを意味する区分ではなく、有期契約労働者も含み得ます。
したがって、常用比率91.4%をそのまま「正社員比率」「雇用の安定性」と読み替えるのは適切ではありません。
出典:警察庁「令和7年における警備業の概況」
90.3%
警備員100人未満の警備業者が9割超
10,949業者のうち、警備員100人未満の事業者は9,885業者で90.3%。
5人以下の事業者だけでも2,912業者・26.6%を占めます。
📌 1営業所のみの事業者は84.2%
主たる営業所1か所のみの警備業者は9,219業者で、全体の84.2%です。
5営業所以下の事業者は10,669業者で97.4%となっています。
これらの数字から、小規模事業者が多いことは確認できますが、
「小規模だから労務管理水準が低い」と統計だけから結論付けることはできません。
人事労務担当者を専任で置きにくい会社では、外部専門家やクラウド勤怠等を活用する余地がある、という実務上の示唆として捉えるのが適切です。
出典:警察庁「令和7年における警備業の概況」
令和7年末の在職年数別構成は、
1年未満18.3%、1〜3年未満21.4%、3〜10年未満31.2%、10年以上29.1%です。
3年以上在職している警備員は合計60.3%です。
⚠ 在職年数の構成比は「離職率」ではありません
「1年未満が18.3%」という数字は、
現在在職している警備員のうち在職1年未満の者が18.3%という意味です。
1年以内に18.3%が離職した、という統計ではありません。
同様に、3年以上在職者が60.3%だから「定着率60.3%」ともいえません。
定着率・離職率を評価するには、入職者を追跡する別のデータが必要です。
📌 女性4.5%の読み方にも注意
10年以上在職者173,889人のうち女性は7,875人で、
10年以上在職者に占める女性の割合が4.5%です。
「女性警備員のうち10年以上勤続している人が4.5%」という意味ではありません。
出典:警察庁「令和7年における警備業の概況」
以下は、各業務区分を実施している警備業者の割合です。
1社が複数区分を行うため、合計は100%を超えます。
警備員数の構成比や売上構成比ではありません。
1号警備業務
6,975業者。施設61.1%、巡回26.0%、保安13.7%、空港保安0.8%、機械4.7%。
2号警備業務
8,768業者。交通誘導75.3%、雑踏47.2%。実施事業者割合は4区分で最も高い。
3号警備業務
638業者。貴重品運搬5.4%、現金輸送4.3%、核燃料物質等運搬0.2%。
4号警備業務
699業者。緊急通報サービス2.0%、それ以外4.9%。
📌 「2号警備が業界の80.1%」という意味ではない
80.1%は、全国の警備業者10,949社のうち2号警備業務を実施している事業者の割合です。
警備員の80.1%が2号業務に従事している、売上の80.1%が2号業務である、という意味ではありません。
出典:警察庁「令和7年における警備業の概況」
令和7年賃金構造基本統計調査を加工した厚生労働省job tagでは、
「施設警備員」と「雑踏・交通誘導警備員」は別の職業分類で掲載されています。
そのため、警備員全体を1つの平均年収で示すより、職種別に見る方が実態を把握しやすくなります。
施設警備員
379.9万円/年
平均年齢53.8歳
労働時間167時間/月
雑踏・交通誘導警備員
335.3万円/年
平均年齢56.6歳
労働時間161時間/月
一般労働者の時間当たり賃金
1,666円
施設警備員。交通誘導等は1,643円
残業代・賞与を含むjob tag算出値
施設警備員・短時間労働者
1,402円/時
job tag掲載値。残業代・賞与を含まない
交通誘導等・短時間労働者
1,300円/時
job tag掲載値。残業代・賞与を含まない
⚠ 元ページの「警備員平均年収354万円」は更新
旧ページでは令和6年の「警備員」データとして平均年収354万円、男性364.2万円、女性274.8万円等を掲載していました。
今回は最新の令和7年データを使い、job tagで現在確認できる
施設警備員/雑踏・交通誘導警備員の職業分類別データへ置き換えています。
なおjob tag自身も、掲載統計は「必ずしもその職業のみのデータを表すものではない」と注意書きをしています。
会社の賃金水準との比較には、地域・雇用形態・年齢・勤務形態も考慮してください。
出典:厚生労働省「令和7年賃金構造基本統計調査」/職業情報提供サイト(job tag)「施設警備員」「雑踏・交通誘導警備員」
施設警備員の有効求人倍率
3.59倍
令和7年度・全国/job tag掲載値
雑踏・交通誘導警備員の有効求人倍率
47.97倍
令和7年度・全国/job tag掲載値
最新のjob tagでは、施設警備員に対応する職業分類の有効求人倍率は3.59倍、
雑踏・交通誘導警備員に対応する職業分類では47.97倍です。
とくに交通誘導・雑踏の求人難が非常に強いことが分かります。
⚠ 「警備業全体の求人倍率」は1つではない
元ページでは「保安職5.72倍」を警備業全体の求人倍率として掲載していましたが、
有効求人倍率は使用する職業分類によって値が変わります。
job tagの数値も、その職業が属する主な厚生労働省編職業分類に対応した統計であり、
個別の「施設警備員だけ」「交通誘導警備員だけ」を完全に切り出した値とは限りません。
1
求人票では職種別に条件を見せる
施設警備と交通誘導では勤務時間・勤務地・資格・天候影響等が異なります。求人条件も職種ごとに分けた方が、応募者が実際の働き方を判断しやすくなります。
2
「月収例」は前提条件を明示する
夜勤、時間外、資格手当等を含む月収例を示す場合は、勤務日数・夜勤回数・残業時間等を併記し、基本給や通常の賃金と混同させないことが重要です。
3
採用だけでなく定着施策も同時に確認する
採用難が強い職種ほど、教育負担、勤務希望、暑熱対策、休憩、資格取得支援、賃金改定等を一体で見直す必要があります。
出典:厚生労働省 職業情報提供サイト(job tag)・ハローワーク求人統計データ(令和7年度)
最新統計から、警備業の高齢化、小規模事業者の多さ、女性比率の低さ、
職種による賃金・求人環境の違いは確認できます。
一方、統計から直接言えないことを過剰に推測しないことも重要です。
👴
60歳以上
47.3%
高年齢者の安全・健康確保と若手育成の両方が課題
👩
女性比率
7.6%
前年より上昇。ただし全体では1割未満
🏢
警備員100人未満の業者
90.3%
小規模事業者が業界の大半を占める
📅
3年以上在職者
60.3%
在職者の構成比であり「定着率60.3%」ではない
💴
施設警備員 年収
379.9万円
令和7年賃金構造基本統計調査を加工したjob tag値
📋
交通誘導等 求人倍率
47.97倍
令和7年度・対応する職業分類のjob tag値
✅ 経営判断では「自社データ」と組み合わせる
公的統計は業界全体の位置を知るために有用ですが、
採用や賃金改定を決めるときは、
自社の応募数、採用単価、離職率、年齢構成、現場別利益率、地域賃金、求人競合
と組み合わせて判断する必要があります。
【データ出典】警察庁生活安全局生活安全企画課「令和7年における警備業の概況」/
厚生労働省「令和7年賃金構造基本統計調査」/
厚生労働省 職業情報提供サイト(job tag)「施設警備員」「雑踏・交通誘導警備員」
※警察庁統計、賃金構造基本統計調査、job tagの求人統計は、調査対象・職業分類・時点・定義が異なります。
本ページでは各統計を同一母集団として合算せず、それぞれの定義に沿って使用しています。
※job tagの統計データは、必ずしも掲載職業のみを対象とする統計ではない旨が同サイトで注意喚起されています。
※本ページは2026年10月15日時点で確認できる公的情報に基づく一般的な情報提供です。
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