同一労働同一賃金、焦らずに見直すための「5つの確認ポイント」
「同一労働同一賃金とよく聞くけれど、パートさんのお給料を正社員と同じにしないといけないの?」
「制度が複雑すぎて、何から手をつければいいのか悩んでしまう」

このようなご相談は、多くの経営者様から寄せられます。人件費に関わる大きな問題ですので、ご不安に思われるのは当然のことです。
結論から申し上げますと、「全員を同じお給料にしなければならない」という法律ではありません。大切なのは、待遇に違いがある場合、それを社員の方に「納得感のある言葉で説明できるか」ということです。本記事では、自社の状況を少しずつ整理するための5つのポイントを分かりやすくお伝えします。
この記事の目次

1. 同一労働同一賃金の「本当の意味」とは

「同一労働同一賃金」とは、正社員とパートタイム・有期雇用・派遣社員の方との間で、**「不合理(理由のつかない)待遇差をなくしましょう」**というルールです。

決して、「雇用形態が違っても給与を完全に同じにしなければならない」というわけではありません。仕事の責任の重さ、トラブル対応の有無、将来的な転勤や異動の可能性など、会社への貢献の仕方が違えば、給与や手当に差をつけること自体は問題ありません。
大切なのは、その違いを「雇用形態が違うから」という言葉で片付けるのではなく、それぞれの役割に基づいて説明できる状態にしておくことです。

2. 自社を見直すための5つのチェックポイント

では、具体的にどのような点を確認していけばよいのでしょうか。以下の5つの項目について、自社のルールを少しだけ振り返ってみてください。

ポイント① 基本給の差に、納得できる理由はありますか?

正社員とパート社員の基本給に差がある場合、その理由が「役割や責任の違い」からきているかを確認します。

⚠️ 少し心配な例
正社員とパート社員で、まったく同じ内容の仕事をしており、トラブル対応などの責任範囲も同じであるのに、基本給に大きな差がある。
✨ 望ましい例
正社員には部署異動や転勤の可能性があり、後輩の指導やトラブル対応の責任を負っている。一方、パート社員は定型業務のみを担当し、異動はない。

ポイント② 各種「手当」の支給基準は同じですか?

通勤手当、役職手当、皆勤手当、食事手当など、仕事の内容とは直接関係のない手当については、雇用形態だけで差をつけることは難しいとされています。例えば、「正社員には通勤手当が出るが、パートには出ない」というルールは、見直しが必要になるケースが多いです。

ポイント③ 賞与(ボーナス)や退職金

賞与や退職金についても、会社の業績貢献度や評価に応じて支給されている場合、非正規社員だからという理由だけで「ゼロ」にするのではなく、貢献度に応じた支給が求められるようになっています。

ポイント④ 福利厚生や教育訓練の機会

食堂、休憩室、更衣室などの施設利用や、業務に必要なスキルを身につけるための研修などについても、正社員と同様に利用・参加できる環境を整えることが推奨されています。

ポイント⑤ 待遇差の理由を「言葉で説明」できますか?

これが最も大切なポイントです。もし社員の方から「なぜ正社員の人と待遇が違うのですか?」と質問されたとき、経営者様や担当者様が、仕事の内容や責任の範囲などの客観的な事実をもとに、丁寧に説明できるかどうかが鍵となります。

「説明できること」が信頼関係を守ります

社員の方は、待遇の差そのものよりも、「自分の働きが公平に評価されていないのではないか」という不安から不満を抱くことが少なくありません。会社がしっかりとした評価基準を持ち、それを説明できる状態にしておくことは、労使の信頼関係を守る一番の予防策になります。

まとめ:丁寧に説明できる会社は、社員の安心につながる

「同一労働同一賃金」への対応は、一見すると負担が増えるだけのように感じられるかもしれません。しかし、一つひとつの手当や給与の「意味」を見直すことは、自社の人事制度をより良くし、社員が「この会社は自分の働きを正しく見てくれている」と安心できる環境を作ることにつながります。

「うちの会社の場合はどうなるの?」「どこから手をつければいい?」
そう思われた時は、一人で悩まず専門家にご相談ください。

自社だけで全ての項目をチェックし、給与の仕組みを変更するのは非常に難しい作業です。私たち社会保険労務士は、法律の専門知識はもちろん、経営者様の「人件費のバランス」や「社員への想い」を大切にしながら、御社に一番合った対応策を一緒に考えさせていただきます。どうぞお気軽にお声がけください。

同一労働同一賃金について、ご不安な点はありませんか?

「パートさんの手当、このままで大丈夫?」「どう説明すればいいのか迷っている」など、
労務に関するささいな疑問でもお気軽にご連絡ください。初回相談は無料です。

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