①警備業者必見!公安委員会監査で指摘されやすいポイント

1. 監査の趣旨と処分リスクの全体像

  • 公安委員会の立入検査(監査)は、書類の体裁ではなく「実態との整合」を重視します。教育懈怠・虚偽記載等は指示・営業停止の対象になり得ます。国家公安委員会(警察庁)の営業停止命令等の基準でも違反態様に応じた停止期間の考え方が整理されています。npa.go.jp
  • 実務解説では、教育不実施や虚偽記載は罰金・営業停止のリスクがあるとされています。実害はもちろん、信用低下→取引減の二次被害も無視できません。pro-cas.jp

2. 監査で確認される「法定備付書類」と保存年限(要点)

  • 警備員名簿(写真は原則3年以内撮影)…退職後1年保存。
  • 確認票(欠格確認)、護身用具一覧、契約先一覧、苦情処理簿等。
  • 指導計画書…実地指導の日から2年保存。
  • 教育計画書…期開始30日前備付、教育期終了後2年保存。
  • 教育実施簿…教育実施ごとに作成・備付、教育期終了後2年保存。

3. 指摘されやすい“頻出”不備

 1.名簿の基本事項欠落
 生年月日・採用日・資格・写真(古すぎる/未貼付)等の抜け。

 2.教育計画⇔実施簿の不整合
 計画時間と実施時間が合わない/欠席補講の記録漏れ/署名欠落。

 3.教育時間の不足
 新任20h、現任10h(※例外あり)に満たない。eラーニング算入要件未充足(同等性担保・スキップ不可 等)。警備ドットコム+1npa.go.jp

 4.配置簿・勤怠と教育日の矛盾
 同一時間帯に現場勤務と教育が二重計上。

 5.装備品の管理不備
 規定外装備の使用、数量台帳の未更新。

 6.苦情処理簿の形骸化
 受付~是正までのトレーサビリティ欠如。

 7.教育実施者の要件不備
 だれが教えたか(資格・区分)が基準外。都道府県警の点検票でも教育実施者の適格性は重要項目です。

    4. 監査前60日から当日まで:実務タイムライン

    • 60日~45日前:前年の是正事項の再点検/教育計画の欠課・補講計画を反映。
    • 30日前:教育計画書は期開始30日前備付の原則を再確認。記載は対象者範囲・方法・時間数・実施者が核心。一般社団法人 岡山県警備業協会
    • 14日前:名簿・確認票・装備一覧・契約先一覧を最新版へ。
    • 7日前:教育実施簿の署名漏れ洗い出し/eラーニング視聴ログ確認(初回スキップ不可要件)。npa.go.jp
    • 前日当日:提出束の目次・インデックス化、計画⇔実施⇔勤怠が一目でリンクするレイアウトに。
       (ハンコの押し忘れは“秒で”見つかります。ハンコは飾りではありません…!)

    5. 模擬監査チェックリスト(抜粋)

    • 計画:年度別/期別・対象者・科目・方法・時間数・実施者が全件記載。
    • 実施:開始終了時刻・科目・講師・参加者署名・補講履歴。
    • 整合:勤怠とぶつからないか/配置簿と教育日の整合。
    • 保存:年限ラベルと廃棄予定日を貼付。
    • 教育者:資格と区分が業務に合致(1級/2級/指教責 等)。